バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 我々の全てが一つの家族であり,この家族のどの部分の幸福も,他の部分の荒廃の上にしっかりと築くことはできないという, 知的であると同時に道徳的な認識がなければならないであろう。現代においては,道徳的欠陥が明噺な思考を妨げており(注:stand in the way of clear thinking),混乱した思考(明晰な思考ができないこと)が道徳的欠陥に拍車をかけている。私はあえてそれを望もうとするものではないが,ことによると(perhaps)水素爆弾が人類を恐怖させ,人類を正気と寛容さとに追い込むかも知れない(注:perhaps なので,可能性が大きいわけではない。)。もしもそのようなことになれば,我々は水爆の発明者を祝福していい理由をもつことになろう(注:もちろん、水爆の存在を評価したわけではなく,「もし万が一でもそういう結果をもたらせば・・・」という,逆説的な言い方をしている)。

There will have to be a realization at once intellectual and moral that we are all one family, and that the happiness of no one branch of this family can be built securely upon the ruin of another. At the present time, moral defects stand in the way of clear thinking, and muddled thinking encourages moral defects. Perhaps, though I scarcely dare to hope it, the hydrogen bomb will terrify mankind into sanity and tolerance. If this should happen we shall have reason to bless its inventors.
 出典: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-220.HTM

 <寸言>
 人類はもっと知的に賢くなると同時に,もっと慈愛と寛容の心を持たないといけない,ということ