けれども,他のいかなる信念とも同様に,民主主義を支持する信念も,それが狂信的であり従って有害であるような地点にまで,運ばれていってしまうかも知れない(しまうことがありうる)。過半数が常に賢明な決定をおこなうなどと民主主義者は信じる必要はない。彼が信じなければならないのは,過半数の決定をそれが賢明であると否とにかかわらず,過半数が異なった決定をする時がくるまで,受け容れなければならない,ということである。
Belief in democracy, however, like any other belief, may be carried to the point where it becomes fanatical, and therefore harmful. A democrat need not believe that the majority will always decide wisely; what he must believe is that the decision of the majority, whether wise or unwise, must be accepted until such time as the majority decides otherwise.
出典: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-200.HTM
<寸言>
選挙民は自分たちにふさわしい政治家を選ぶということ。政治家の多くが愚かであるのは,国民の多くが愚かであることの証明となる。