バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 家柄崇拝が深くしみついている英国においては,戦争(注:両大戦)によってもたらされた収入の平等化は,甚大な影響を及ぼしてきており,そうして,若者の間,年長の人たちの家柄崇拝はいくらか馬鹿げたことだと思われ始めている。現在でもいまだなお英国では,悲しむべき家柄崇拝(注:snobbery 俗物根性/紳士気取り)が非常に広範に見られるが,それは収入やかつての意味における社会的地位よりは,むしろ教育や言葉遣いに関連したものとなっている。

In England, where snobbery is deeply ingrained, the equalization of incomes which has been brought about by the war has had a profound effect, and among the young the snobbery of their elders has begun to seem somewhat ridiculous. There is still a very large amount of regrettable snobbery in England, but it is connected more with education and manner of speech than with income or with social status in the old sense.
 出典: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-150.HTM

 <寸言>
 家柄を誇れる人々も家柄はたいしたこともない金持ちには媚を売ることが少なくない。家柄もお金も持っていない人も、東大を卒業し、官僚になり、その後政治家にでもなれば、学歴やしゃべりかた(官僚言葉)で優位に立てる。そうして、「国民のため」と口では言いながら、自分は選ばれた人間(選民/エリート)として君臨することができる。