バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 解剖学者たちは,女性が選挙権を獲得するまで,男性の知的能力は女性の知的能力に勝ることを示そうとして,大脳の研究から種々の巧妙な議論を展開していた。それらの議論は次々に誤りであることが証明されていったが,いつも同種の(男の方がすぐれているという)結論がひきだされる新らしい論拠が出されるのであった。たとえば男の胎児(fetus)は,生後6週間に魂を獲得するが,女性胎児は3ケ月後に(ようやく)魂を獲得する,と考えられたものである。この意見もまた,女性が投票権を得てからは,捨て去られてしまった。

Anatomists, until the women had the vote, developed a number of ingenious arguments from the study of the brain to show that men's intellectual capacities must be greater than women's. Each of these arguments in turn was proved to be fallacious, but it always gave place to another from which the same conclusion would follow. It used to be held that the male fetus acquires a soul after six weeks, but the female only after three months. This opinion also has been abandoned since women have had the vote.
 出典: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-130.HTM

 <寸言>
 冗談で楽しむだけならよいが、せめて男性であるだけで女性よりも優れているということであってほしいと望む気持ちは哀れである。

 先進国においては,「公には」男女同権だと誰もが認めているが,「公以外の場面では」,それと気づかれないように男女の差がつけられ,男の自尊心に対し「おもいやり」が施されている。安倍総理だって,安倍総理が好きな女性も,同様に,公では「女性活躍・・・」とか言って(「男性活躍」なんて言葉は絶対に使われない),女性を大事にしているように見えて,その実,・・・。