バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 ギリシャ人の間でより啓蒙された人々は,主人がギリシャ人で奴隷が野蛮人である限りは奴隷制を正当化できるものとみなしたが,そうでなければ自然に反するものであると考えた。古代のユダヤ人は,彼等自身の人種的優越性について,まったく特異な信仰をもっていた。キリスト教が国家宗教となって以降,異教徒たち(注:Gentiles ユダヤ人から見た「異教徒」。ここではキリスト教徒のこと)はユダヤ人に対する自分たちの優越性への同様に非合理的な信念をもってきた。この種の信念はまさに限りない弊害を生じさせるものであり,それを根絶させることは教育の目的の一つでなければならないが,現在,実際にはそうなっていない。

The more enlightened among the Greeks held that slavery was justifiable so long as the masters were Greek and the slaves barbarian, but that otherwise it was contrary to nature. The Jews had, in antiquity, a quite peculiar belief in their own racial superiority; ever since Christianity became the religion of the State Gentiles have had an equally irrational belief in their superiority to Jews. Beliefs of this kind do infinite harm, and it should be, but is not, one of the aims of education to eradicate them.
 出典: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-120.HTM

 <寸言>
 一神教を信じている国々における教育と多神教(あるいは無宗教)の国々とでは,宗教に対する理解や態度がかなり異なっている。前者においては宗教教育が行われ、後者では倫理道徳教育はあっても宗教教育は普通見られない。、