ある人種の他の人種に対する優越は,いまだかつて十分な理由から信じられたことはほとんどない。そのような信念が執拗に存続しているところでは,その信念は軍事的優越によって活かし続けられているのである。日本人が(軍事的に)勝利を続けている限りは,日本人は白人に対し軽蔑心を抱いて楽しんだのであり,それは日本人が弱かった間に白人が日本人に対して感じていた軽蔑心の裏返し(対応物)であった。
The superiority of one race to another is hardly ever believed in for any good reason. Where the belief persists it is kept alive by military supremacy. So long as the Japanese were victorious, they entertained a contempt for the white man, which was the counterpart of the contempt that the white man had felt for them while they were weak.
出典: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-120.HTM
<寸言>
自国においてしいたげられていても,国や人種が違うということだけで(他国民や多民族を)罵倒(ヘイトスピーチ)できれば,個人的な反撃をくわずに,不合理な優越感にひたることができる。
人種的及び文化的優越感が軍事的優越と結びつくと最悪となる。