バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 ナチズムの信奉者たちは,権力を掌握する前の時代においては,苦労の多い生活を送っており,精力的であることをよしとする信念や,「人間はみずからを鍛えるべきだ 」(注:One should make oneself hard/ニーチェの超人思想)というニーチェの格言への信念,に服従して,安楽や目前の快楽の多くを犠牲にしていた。彼等が権力を獲得した後においても,「バターよりも大砲を」というスローガンは,なおも将来の勝利という精神的快楽 -- のために,感覚の快楽を犠牲にすることを含んでいた(意味していた/伴っていた)。そのような精神的快楽は,まさに,ミルトンの(『失楽園』の)悪魔が地獄の炎で苦しめられたときにみずからを慰めたものである。

The Nazis in the days before they achieved power lived laborious lives, involving much sacrifice of ease and present pleasure in obedience to the belief in strenuousness and Nietzsche's maxim that one should make oneself hard. Even after they achieved power, the slogan 'guns rather than butter' still involved a sacrifice of the pleasures of sense for the mental pleasures of prospective victory - the very pleasures, in fact, with which Milton's Satan consoles himself while tortured by the fires of hell.
 出典: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-050.HTM

 <寸言>
 二度とナチズムの再来は許さないということでドイツでは現在でも90歳にも達しているナチの残党刈りをしている。それに比べ日本では戦後A級戦犯だったものが総理大臣になるような国柄であり・・・。