バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 教育の推進力は,学びたいという生徒の願望であるべきであり,先生(教師)の権威(権力)であってはならない。しかしだからといって,教育はいかなる段階においても優しく容易で楽しくあるべきだ,ということにはならない。このことは正確さの問題に特にあてはまる。正確な知識の獲得は退屈になりがちであるが,正確さを身につけることはいかなる優れた仕事をするためにも不可欠なものであり,この事実は適切な方法によって子供にもはっきりとわからせることができる。

The driving force in education should be the pupil’s wish to learn, not the master’s authority ; but it does not follow that education should be soft and easy and pleasant at every stage. This applies, in particular, to the question of accuracy. The acquisition of exact knowledge is apt to be wearisome, but it is essential to every kind of excellence, and this fact can be made obvious to a child by suitable methods.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 14: General principles
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE14-080.HTM

 <寸言>
 情報や知識を多くもっていても、それが曖昧なものばかりであれば、容易に騙される人間になりやすい。
 現代人は過去の人々よりも知識や情報を比較にならないほど多くもっているが、「利口」にはなっていない。
 重要な事実が「特定秘密」あるいは「特定秘密に関連する事項」ということで非公開になれば、国民は重要な問題において判断を誤る危険性がある。さらに、日本では、公文書がしっかり保管されているかどうかにも疑問がもたれている。終戦記念日の8月15日(あるいはその前日にも?)に大量の秘密文書が焼却処分されたことはよく知られているが、最近でも(といっても10年以上前のことであるが)保存されていてしかるべき外交文書が知らないうちに廃棄されていることが報道されている。
 特定秘密は最小限にし、非公開期限がきたら公開されるべきであるが、日本における情報公開はまったく不十分な状態となっている。日本では公開されなくても、米国で日本関係の秘密文書が非公開期限が切れて公開され、政府が日本国民を騙していたことが何度も判明している。そのような嘘をついていた政治家(佐藤栄作その他)も、非公開期間が50年もあれば、処罰しようとしても既に亡くなってしまっている。そういうことであれば、どんな重要なことに関しても安心して嘘をつくことができてしまう。
(“So, if we lie to the government, it’s a felony. But if they lie to us, it’s politics.  そう、我々国民が政府に対し嘘をつけば重罪(国家反逆罪)になるけど、もしも彼ら(政府要人)が我々国民に嘘をつけば、それは政治(において必要なこと)となる)