バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 公平(正義)を教える真の教育は,他の子供のいるところではじめて可能になる。これは,なぜ子供を長いこと独りのままにしておいてはいけないかという多くの理由のなかの一つである。運悪く子供がひとりしかいない親は,できるだけ努力して子供のために仲間を見つけてあげなければならない。ほかに方法をとることができない場合には,長い間家を離れさせるという犠牲さえも払わなければならない。

The real education in justice can only come where there are other children. This is one of many reasons why no child should long be solitary. Parents who have the misfortune to have an only child should do all that they can to secure companionship for it, even at the cost of a good deal of separation from home, if no other way is possible.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 7: Selfishness and property.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE07-020.HTM

 <寸言>
 義務教育の小学校、特に貧富の差がなく誰でも入学できる「公立の」小学校は、様々な家庭環境の子どもが入学してくるので、「公平」とか「正義」という観念を教えるのに最適な環境であろう。しかし、「裕福な子弟が通う」「私立の」小学校の場合は、自分は他の貧しい子どもとは違うのだという意識や先入観を与えがちである。
 そのような意味で、慶応の幼稚舎のような、小さい時から「選民意識」を与えるような学校に自分の子どもを入学させることは、小さい時に「公平」とか「正義」とかいう観念を体得させる重要性から考えると、あまり賢明なこととは思われない。

 将来、そういったエリート意識をもった人間が政治家になった場合には、口では「国民のため」、「国益のため」とかいう言葉を常套句にように連発しても、頭の中だけの表面的な理解であり、心からそのようなことを思っておらず、国民に災難をもたらす可能性が大きい。
 現代の日本の国会議員は二世あるいは三世の議員だらけであり、憂うべき状況にある。2012年の自由民主党総裁選挙(注:安部氏を総裁に選出)においては、5人の総裁候補(安部、石橋、石原、町村、林)が立候補したが、全員が世襲議員であった。「自由」と「民主」を看板にする「自民党」の他の国会議員や自民党の支持者はその状況を見て、危機感を抱いた人はほとんどいなかったのだろうか!?(「民主」の部分は実態とあわないし、「自由」も一般国民のための自由ではなく、支配層のための「自由」となっていうr.従って、「保守党」に名称変更されたし。」)