バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 都会で働く人は、勤務時間中ずっと、そして通勤時間中(職場と家庭の間に費やされる時間)はさらにより多く、騒音にさらされる。そういう騒音の大部分は、確かに、意識的には聞かないようにできるようになるが、しかし彼はそれによって疲労が少なくなることはなく、(それどころか)騒音を聞かないようにと意識下で(無意識に)努力をするために、よりいっそう消耗する。もうひとつ別の、気づかないうちに疲労をもたらすものは、見知らぬ他人がいつもそばにいることである。

..., all through working hours, and still more in the time spent between work and home, the urban worker is exposed to noise, most of which, it is true, he learns not to hear consciously, but which none the less wears him out, all the more owing to the subconscious effort involved in not hearing it. Another thing which causes fatigue without our being aware of it is the constant presence of strangers.
 出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.5: Fatigue
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA15-010.HTM

 <寸言>
 騒音だけに限らない。自宅にいる時と違って,他人の中にいる時は,気をつかっていないと思っても,やはりかなり気をつかっている。家ではだらしのないかっこうをしていても平気なので(身なりを気にしなくてよいので)リラックスできるが,外では気をつかわざるをえない。そういった時間が長ければ長いほど知らないうちに疲労やストレスがたまっていく。
 そこで,休日はしっかり休み,気分転換をし,神経疲労をとりさる必要がある。
 いや,普段が大切だから,通勤時間はできるだけ短くして,超過勤務はできるだけやらないようにして労働時間を短かくし,ワーク・ライフ・バランスに気をつけて,自分の自由時間をできるだけ確保するのが肝要。
 え? それは理想論だから無理? べつに,それで後から後悔しないのならいいが・・・。