過剰に興奮に満ちた生活は,心身を消耗させる生活であり,そこでは,快楽の必須の部分と考えられるようになったスリルを得る(自分に与える)ために,絶えずより強い刺激が必要となる。過度の興奮に慣れた人は,胡椒(コショウ)を病的にほしがる人に似ており,そのような人は,ついには,ほかの人なら誰でも窒息しそうなほど多量の胡椒でさえ味がわからなくなる。
A life too full of excitement is an exhausting life, in which continually stronger stimuli are needed to give the thrill that has come to be thought an essential part of pleasure. A person accustomed to too much excitement is like a person with a morbid craving for pepper, who comes last to be unable even to taste a quantity of pepper which would cause anyone else to choke.
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.4:Boredom and excitement
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA14-040.HTM
<寸言>
・刺激や興奮を求める現代人/しだいにより強い刺激でないと満足しなくなる/視覚だけでなく,聴覚も,味覚も・・・,いつのまにか感覚が麻痺/心の平穏の大切さ
一般の人が得る刺激や快楽では,(他者に対し優越感を得られないから/また,普通の刺激では快楽が得られなくなってしまったために)しだいに,強い刺激を求めるようになり ついには・・・