たとえば、泥酔は、一時的な自殺(行為)であり、酒のもたらす幸福は、単に消極的な、不幸の一瞬の休止にすぎない。ナルシシストも、誇大妄想狂も、幸福を得るのに誤った手段を採るかもしれないが、幸福は可能だと信じている。どのような形にせよ、陶酔を求める人は、忘却以外の希望をあきらめてしまっている。
Drunkenness, for example, is temporary suicide; the happiness that it brings is merely negative, a momentary cessation of unhappiness. The narcissist and the megalomaniac believe that happiness is possible, though they may adopt mistaken means of achieving it; but the man who seeks intoxication, in whatever form, has given up hope except in oblivion.
出典: The Conquest of Happiness, 1930 chap.1:What makes people unhappy?
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA11-040.HTM
<寸言>
ラッセルは,お酒を飲むことは全て良くないとか,何かに夢中になってはいけないとか,言っているわけではない。実際,ラッセルは年をとってから,ウィスキー(レッド・ハックル)を楽しむとともに,初恋のときには夢中になった。
ラッセルがいっているのはあくまでも「過度」になるのはよくない,また過度の陶酔を求めるのは,真実に立ち向かいたくないための「逃避」である場合が多いので,自らをよく振り返ってみる必要があると言っているにすぎない
*悩み相談サイトの例
https://onayamifree.com/