私はかつて、老年に達したら自分は、世界から引退し優雅な文化的生活を送り、若い時に読むべきであったあらゆる偉大な本を読もうと考えていたものである。いずれにせよ,それは、怠情な夢であった。重要であると信じる目的を抱いて働くという長年の習慣を破ることは難しい。それで私は、たとえ世界が今よりも良い状態にあったとしても、優雅なレジャーを退屈だと思ったことだろう。それがどのようなものであろうとも、私は、起こりつつあることを無視することは不可能だと思う。
I used to think that when I reached old age I would retire from the world and live a life of elegant culture, reading all the great books that I ought to have read at an earlier date. Perhaps it was, in any case, an idle dream. A long habit of work with some purpose that one believes important is difficult to break, and I might have found elegant leisure boring even if the world had been in a better state. However that might have been, I find it impossible to ignore what is happening.
出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 3: Trafalgar Square, p.134.
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<寸言>
この画像版では,原則とし、引用は1回だけにするつもりですが,これは以前(j0249)一度引用したことのあるものです。
「優雅な」生活を送っている(と思っている,即物的あるいは論理的思考を好まない)日本の保守層にはラッセルの気持ちはあまりわからないでしょうが・・・。