バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 教育の目的は,生徒の観点からすれば,ひとつには子どもの好奇心を満たしてあげること,ひとつには生徒が自ら好奇心を満たすために必要な技術を子どもに与えることにあるべきである。教師の観点からすれば,子どものある種の実りある好奇心を刺激してあげることでもなければならない。

The purpose of the teaching should be, from the pupil’s point of view, partly to satisfy his curiosity, partly to give him the skill required in order that he may be able to satisfy his curiosity for himself. From the teacher’s point of view there must also be the stimulation of certain fruitful kinds of curiosity.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 14: General principle
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE14-020.HTM

 <寸言>
 学習指導要領やカリキュラムで決められたことだけを教えるとか、正解のあるものだけ教えるということであってはならない。特に日本では、正解がなく、自分でいろいろ考えさせる教育が貧弱である。上位の学校へあがるための受験教育や受験勉強も大きく影響している。また、教科書検定制度の弊害も大きい。日本は科学技術は世界一流であっても、教育哲学や教育方法においては二流となっている。たとえITを駆使した授業・学習が増加していったとしても(「教育技術」が発達しても)、国家のための人材養成一辺倒や論理的思考能力を養わない(いわば知性を軽視する)教育のままであるならば、日本国民の人間力は向上しないであろう。そうして、「日本スゴイですね」と自画自賛する国民を量産しかねない。