「道徳的な責任」という観念は多くの害悪(の発生)に対して「責任がある」。二人の子供がいて,一人は好運にも保育園に入り、もう一人は取り残されて,楽になることのないスラム街での生活を送っているとしてみよう。もしも後者の子供が大きくなって前者の子供よりも立派にならなかったとしたら,後者の子どもに「道徳的な責任がある」だろうか。もしも無知と不注意のために息子をうまく教育できなかったとしたら(その貧しい)親たちはそのことに対して「道徳的な責任がある」だろうか。
The conception of "moral responsibility" is "responsible" for much evil. Imagine two children, one of whom has the good fortune to be in a nursery school, while the other is left to unalleviated slum-life. Is the second child "morally responsible" if he grows up less admirable than the first? Are his parents "morally responsible" for the ignorance and carelessness which makes them unable to educate him?
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 13: Nursery School
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE13-070.HTM
<寸言>
政治家が「保育所を整備します!」と言えば頼もしく思えるというような単純なものではないということ。