子供や若者は,彼らの幸せを純粋に願う人と,彼らを何らかの計画のための原材料(素材)としか考えない人との違いを,本能的に感じとる。教師に愛情が欠けている場合には,性格も知性も,十分に,またのびのびとは発達しないだろう。そうして,この種の愛情は,本質的に言って,子供を目的として感じることの中にある。
Children and young people feel instinctively the difference between those who genuinely wish them well and those who regard them merely as a raw material for some scheme. Neither character nor intelligence will develop as well or as freely where the teacher is deficient in love; and love of this kind consists essentially in feeling the child as an end.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, chap. 2 The Aims of Education
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE02-090.HTM
<寸言>
子供の気持ちや考えを無視し,あなた(たち)のためだから親の言うことを聞きなさいと,しばしば,大人は言う。しかし,子供のためといいながら,「子供の」気持ちよりも,子供を思う「自分の」気持ちを大事にしていることが少なくない。これは自己欺瞞の一種であるが,政治家のお家芸か?