バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 


 自分自身についての真実の姿に進んで向き合おうとする態度には,ある種の'諦め'が伴っている。この種の'諦め'は,初めのうちは苦痛を伴うかもしれないが,最後には,自己欺瞞に陥っている人が陥りやすい'失望と幻滅'に対する防御--事実,唯一可能な防御--を与えてくれる。日毎に信じがたくなる事柄を日毎信じようとする努力ほど,疲れるものはないし,長い眼でみれば,苦痛をつのらせるものはない。こうした努力をなくすることは,確実かつ永続的な幸福の不可欠の条件である。

A certain kind of resignation is involved in willingness to face the truth about ourselves; this kind, though it may involve pain in the first moments, affords ultimately a protection - indeed the only possible protection - against the disappointments and disillusionments to which the self-deceiver is liable. Nothing is more fatiguing nor, in the long run, more exasperating than the daily effort to believe things which daily become more incredible. To be done with this effort is an indispensable condition of secure and lasting happiness..
   出典:The Conquest of Happiness, 1930, chap.16:Effort and resignation.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA27-060.HTM

 <寸言>
 多くのことがうまくいっている時には,人は自らをあまり省みることをしない。人と衝突したり,自分のやりたいことがうまくいかない,あるいはいかなくなって初めて,自分のやり方や考え方にまずい点があるのかと反省することになる。
 政治家も選挙で落選すれば反省するが,「支持率」が落ちなければ余り反省することがない。マスコミ対策をしっかりやり,自分(たち)に都合が悪いことが起きればそれを打ち消す、あるいは緩和するニュースを流してうまくいけば、やはり反省しなくなる。そういう意味では、日本のマスコミは、安倍政権を増長させるのに多いに「貢献」していると言える。