バートランド・ラッセル英単語_語源を参考に理解_048
gram / graph ; 書く(こと)
<清水建二(編)『英語の語源大全』p.197-200から引用>
TV番組、演劇、コンサートなどの "program(プログラム/番組、演目)" は「pro(前もって)」+「gram(書いたもの)」が語源で、語根の"gram"はギリシア語で「書く」という意味の"graphein"に由来しています。
ギリシア語由来の"gram"は、ラテン語経由では、graph(y)に変わります。
"gram"や"graph"は印欧祖語で「書く、引っ掻く」という意味の"gerbh"」にさかのぼることができます。"g"の発音は、ゲルマン語経由では「グリムの法則」に従って "k"の発音に変化し、"crab(カニ)と"carve"(彫る)が生まれました。
* graph : 書いたもの → 「グラフ」
* calligraphy : 美しく書く → 「書道」「カリグラフィー」
* pictogram : 印をつけて書いたもの → 「絵文字」
* grammar : 文字を書く技術 → 「文法」
* diagram : 「dia(通して)」+「gram(書く)→「ダイアグラム(始発から最終まで発着時間を全部かいたもので,グラフ化したもの)」
* phonogram : 「phone(音)」を書く → 「表音文字」
* hologram : 「holo(全部)」を描く → 「立体画像」「ホログラム」
* graffiti : 「落書き」
* paragraph : 「マス脇を開けて(para)書くこと(graph)→「段落」
★ telegram【(n) 電報 | 「tele(遠い)」+「gram(書く)」→「遠くにいる人に書くもの】
* "telegram" は電報文や電報内容を指し,"telegraph"は電報の手段や制度(電信機、電信システム;信号装置) を指す1.ラッセルの用例
ラッセル英単語・熟語1500 |
[けれども,私とリトルウッドがルルワースに着いた次の日,私は,コレットから電報を受け取った。その電報には何時間も汽車が無いのでこれからハイヤーでそちらに向かう途中だと書かれていた。]
出典:ラッセル『自伝』第2巻第2章「ロシア」
Littlewood got a telegram from Eddington telling him that the result was what Einstein said it should be.
[リトルウッドは,(観測)結果はアインシュタインの予言(予測値)と同じであったということを知らせる電報を,アーサー・エディントン(Sir Arthur Stanley Eddington, 1882-1944:英国の天文学者,ケムブリヅジ大学教授)から受け取った。]
出典:ラッセル『自伝』第2巻第2章「ロシア」
There was at that time no communication with Russia either by letter or telegram, owing to the blockade. But as soon as I reached Reval I began telegraphing to Dora.
[当時は,ロシアの対外封鎖により,手紙も電報も,ロシアとの通信は何一つできなかった。しかし,レヴァルに到着するやいなや,私はドーラに電報をうちはじめた。]
出典:ラッセル『自伝』第2巻第2章「ロシア」
2.参考例
How much does the telegram cost?[電報の料金はいくらですか?]
出典: Shogakukan Random House English-Japanese Dictionary, 1982 ed.
We informed them by telegram that we would be arriving early.
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.
A telegram is a message that is sent by telegraph and then printed and delivered to someone's home or office.
出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new ed.