バートランド・ラッセル 宗教と科学 (松下彰良 訳)
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* 原著:Religion and Science, by Bertrand Russell (London; George Allen & Unwin, 1935)
第1章「闘争の原因」 イントロ累積版
- 宗教と科学は,社会生活の二つの側面であり,宗教(前者)が人類の精神史について我々が何らかのことを知っている最も昔の時代から重要であり続けてきたのに対し,科学(後者)はギリシア人とアラビア人の間で断続的に盛んになった後,16世紀になって突如として重要なものになり,それ以来,次第に我々(人間)の思想や我々がその中で生きている(諸)制度を形成してきた。
- 以下において(は),科学一般にも,(また)宗教一般にすら関心を払わず(nor yet),両者(科学と宗教)が過去に衝突した(してきた),あるいは今なお衝突している論点(points)について関心を払うことにしよう
- 今日では,宗教的な人々は(も),中世時代に存在していたような(as it existed in the Middle Ages),キリスト教(徒)の教義(the creed of Christendom)のほとんどは不要であり,実際は,宗教的生活にとって単なる障害(物)にすぎないと感ずるようになっている。
- 教育を受けた人たちの中世のものの見方には今日では失われてしまっている論理的な統一(性)があった。
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第1章 闘争の原因 n.5
科学がその確信(belief)に達する方法(way やり方)は、中世の神学の方法とは全く異なっている。
- 宗教の教義(creed)が科学理論と異なるのは,宗教の教義は永遠かつ絶対的に確実な真理を具体的に表現していると主張する点にある。
- 中世の見方(見解)と近代科学の見方(見解)との重要な相違は,権威に対する見方(見解)にある。
- けれども,宗教生活のある側面,もしかすると最も望ましい側面が存在している。
第2章 コペルニクス革命