バートランド・ラッセル『権力』(松下彰良・対訳)
* 原著:Power; a new social analysis, by Bertrand Russell (London; George Allen & Unwin, 1938)総目次
第13章 組織と個人 イントロ累積版
- 人間は,社会(共同体)の中で暮すことを有益(有利)だと(経験から)知っている。
- 組織(体)は,公的なものであれ民間のものであれ,個人に対して二通りの仕方で影響を及ぼす。
- 一方(meanwhile 話変わって),民主主義国においては,子供は,国家がふるう影響力以外のいろいろな影響力にさらせれる。
- 青年男女が金を稼ぎ始めるやいなや多種多様の(多くの)組織が彼らの活動に影響を与え始める。
- これまでのところ,文明社会に特有の組織体の影響(effect 効果/結果)は,(たとえば)比較的未発達な社会における小作農(peasant 貧しい農民)と比べて,人間の自由を増加させることである。
- (次に)もう一つの種類の組織体(another class of organizations),(即ち)他人に対して危害を加えることを防ぐ目的でデザイン(計画/設計)された組織体(組織化されたもの)について考えよう。
- ここまでのところ,我々は戦争と革命について,あるいは戦争と革命の恐怖について,まったく考慮してこなかった。
- 以上の手短な概観から,概して(大部分については),組織(体)の影響は,政府の自己保存(本能)から生ずる結果は別として,個人の幸福と福祉を増進させるようなものである,と結果として言えそうである。
- 個人が種々の組織(体)に対して持つ関係の分類法として,もう一つ別の方法がある。
- 自由会員(自由意志の会員)からなる組織には,政党,教会,クラブ,共済組合(friendly societies),投資先の企業,その他がある。
- 人がその意志にかかわらず成員になってしまう組織(体)のなかで最重要なのは国家である。
- 国家に対する忠誠には,積極的な動機と消極的な動機の両方がある。