第12章 権力と統治形態 n.11 - 内乱の危険性
これに反し,もし君主政治(君主制)が世襲(制)でなければ,内乱はよりいっそう起りそうである(注:世襲制の場合は,王家内での骨肉の跡目争いとなるが,世襲制でない場合は他の貴族などが跡目をねらって内乱が起きやすいということ)。′このような内乱の危険は,コンモドゥス(注:Lucius Aurelius Commodus Antoninus, 161年- 192年1、在位期間180年 - 192年:第17代ローマ皇帝)の死からコンスタンティヌス帝の即位(succession 皇帝の地位の継承)までのローマ帝国(の歴史)によく示されている(によって例証されている)。唯一,この問題の真に成功する解決策がかつて考えだされたことがある。即ち、教皇選出の方法(やり方)である。しかし,その方法は,民主主義から出発した発展の最終項( the ultimate term )である。そうして,この場合でも,大分裂(注:the Great Scism 1378年から1417年までの期間、ローマン・カトリック教会の教皇の位がローマとアヴィニョンの2箇所に存在した。)が、この方法が絶対にまちがいのないものとならないということを示している。
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Chapter XII: Powers and Forms of Governmants, n.11
If, on the other hand, the monarchy is not hereditary, there is even more likelihood of civil war. This danger is illustrated by the Roman Empire from the death of Commodus to the accession of Constantine. Only one really successful solution of this problem has ever been devised : it is the method by which the Pope is elected. But this is the ultimate term of a development which started from democracy; and even in this case the Great Schism shows that the method is not infallible.
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