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『ラッセル自伝』(松下彰良・訳)AB22-140

The Autobiography of Bertrand Russell, v.2

前ページ 次ページ v.2,chap.2 (Russia) 目次 Contents (総目次)
* 右欄イラスト出典:B. Russell's The Good Citizen's Alphabet, 1953.
注:'Bolshevik = Anyone whose opinion I disagree with' は,ラッセルが「共産主義者は嫌いだ」といっているのではなく,「自分と意見が違う相手に対しては,'あいつは赤だ(共産主義者だ)!'と,(よく考えずに簡単に)多くの人が言うものだ」,という皮肉。
* ロシア革命とは(学研学習事典データベースより)

第2巻第2章 ロシア(承前)


ラッセルの言葉366
 ペトログラード(注:現在のサンクトペテルブルク)から,私たちは,モスクワに行った。モスクワは,非常に美しい都市であり,建築様式において−−東洋の影響をうけていたので−−ペトログラードよりずっと興味深かった。ボルシェヴィキ(Bolshevik:ロシア共産党員/右イラスト参照)大量生産への嗜好(愛)を示す種々のちょっとしたやり方を(目にして)楽しんだ。主食は,毎日午後4時頃だされ,その中には,いろいろの他の食材にまじって,種々の魚の頭が含まれていた。魚肉の方(胴体の方)はどうなったのか(注:「身体に何が起こったのか」と擬人化),とうとう分からなかったが,多分,それは(いいところは),人民委員(Kommissar; Commissar)によって食べられてしまったと思われる(参考:人民委員会議について)。モスクワ川は,魚でぎっしりいっぱいであったが,釣り竿と釣り糸にとって代わる最新式の機械を用いる方式が,まだ発見されていなかったので,人民は魚をとることを許されていなかった。モスクワ市内はほとんど飢餓状態であった。しかし,トロール船によって(大量に)捕獲された魚の頭の方が(釣竿と釣り糸という)原始的な方法でとった魚肉よりもましであると思われたのである(注:皮肉。
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From Petrograd we went to Moscow, which is a very beautiful city, and architecturally more interesting than Petrograd because of the Oriental influence. I was amused by various small ways in which Bolshevik love of mass-production showed itself. The main meal of the day occurred at about four o'clock in the afternoon, and contained among other ingredients the heads of fishes. I never discovered what happened to their bodies, though I suppose they were eaten by the peoples' Komissars. The river Moskwa was chock full of fish, but people were not allowed to catch them, as no up-to-date mechanical method had yet been found to supersede the rod and line. The city was almost starving, but it was felt that fishes' heads, caught by trawlers, were better than fishes' bodies caught by primitive methods.
(掲載日:2007.01.03 更新日:2011.8.22)