バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 人は、やらなければならない仕事をする力が自分には十分ないと感じると、漠然とした不満を感じ、その不満は、自分よりも楽な仕事をしている人びとに対するねたみの形をとりやすい。それゆえ、ねたみを減らす方法の1つは、疲れを減らすことである。しかし、はるかに重要なことは、本能を満足させる生活を確保することである。

When a man feels inadequate to the work he has to do, he feels a general discontent which is exceedingly liable to take the form of envy towards those whose work is less exacting. One of the ways of diminishing envy, therefore, is to diminish fatigue. But by far the most important thing is to secure a life which is satisfying to instinct.
 出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.6: Envy
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA16-080.HTM

 <寸言>
 適度な疲れ(疲労)は快眠につながるが,過労は心身ともに悪影響を及ぼし,ねたみの原因にもなる。また,疲労が少なくなるように注意すれば,ねたみの原因を減らせるが,ラッセルの言うように,それだけでは根本的な解決にはならない。  簡単ではないが,「本能を満足させる生活」をできるだけ確保できるように,日々「努力」が必要。努力するのでは疲労がたまるのでないかと言われるかもしれないが,ラッセルが言いたいのは,自分の好きなことであれば努力は気にならない(それほど疲れない)ので,努力の方向を間違えてはいけないということであろう。