妬み(ねた)みは,実際のところ,一部は道徳的,一部は知的な悪徳の一形態であって,その本質は,決してものをそれそのものとして見ず,他との関係において見ることにある。・・・。 こういう事態に対する適切な治療薬(治療法)は,精神を訓練すること,つまり,無益なことは考えない習慣(を身につけること)である。
Envy, in fact, is one form of a vice, partly moral, partly intellectual, which consists in seeing things never in themselves, but only in their relations. ... For all this the proper cure is mental discipline, the habit of not thinking profitless thoughts.
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.6:Envy
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA16-050.HTM
<寸言>
比較宗教学,比較文学等,学問の世界においても,「他のものと比較して考えること」は,有益な方法(論)である しかし,他人(の持ち物,容貌,その他)に対する'妬み'は,他との比較でものを見る習慣の弊害であり,不幸の大きな原因となる。