| |
アマゾンで購入 |
資本の利子は、ある程度の先見の明があることによって生じるが、先見の明が非常にあってのことではない。たとえば私が100ポンドを持っていて、それを5パーセントの利子で投資するとしよう。これは、今すぐ100ポンドを使うことと比べて、1年後に105ポンドを得る見込みの方に少なくとも同じくらい喜びを感じていることを意味する。もし私に無限の先見の明があるならば、どんなに低い利率であっても、それをすべて使い切ってしまうよりも投資する動機となるだろう。おそらく、他の条件が同じであれば、人々に先見の明が多くあるほど、利率は低くなると推測できるかもしれないが、このような推測をさらに追究することは私のテーマから逸れてしまう。
Interest on capital is due to the existence of a certain amount of forethought -- but not too much. Suppose I have £100 which I invest at 5 per cent; that means that I am at least as pleased by the prospect of £105 a year hence as by the spending of £100 now. If I had infinite forethought, any rate of interest, however low, would suffice to induce me to invest my capital rather than spend it all at once. One may perhaps infer that, other things being equal, the more forethought people have, the lower will be the rate of interest, but it would take me too far from my theme to pursue such speculations further.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954, part II: The Conflict of Passions, chapter 3: Forethought and Skill, n.6
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-2_0306.htm
<寸言>
有名な人物が予測や予見したことが30年後あるいは50年後に起こったり実現したりすると、その先見性が称賛されます。しかし、その30年から50年の間に戦争が起こったり、大きな自然災害(地震、大津波、その他)が起こったりして、その人の予測や予見が大きく外れてしまうことも少なくありません。
それならば、遠い将来のことの予測は困難だが、近い将来の予測ならより容易でしょうか? そんなことはありません。たとえば、株価などは、5年後の日経平均株価の予測はあたりやすくても、1カ月後の株価の予測は困難です。特定の銘柄の10分後の株価を予測できるなら、国民の大多数が投資をするはずです。岸田総理(当時)は国民に「投資」を勧めましたが、「お金のない人は投資しないように」と同時に言うべきでした。岸田氏のメガネは曇っていたようです。(笑)
* 投げ銭(Amazon ギフト:15円以上)
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell