バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


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 私は政治理論の議論をこのテーマ(政治的に重要な欲望)から始める。なぜなら、現在の政治や政治理論について議論のほとんどが心理学を十分に考慮していないと考えるからである。・・・。
 政治が科学的なものになり、出来事が常に驚きに満ちたものにならないためには、政治的思考が人間の行動の源泉により深く入り込むことが不可欠である。飢餓がスローガンに与える影響とは何か。スローガンの有効性は、食事のカロリー数によってどのように変化するのか。ある人が民主主義を提案し、別の人が一袋の穀物を差し出したとしたら、飢餓のどの段階で穀物の方を選ぶだろうか。このような疑問は、あまりにも考慮されていない。
I will begin the discussion of political theory with this subject because I think that most current discussions of politics and political theory take insufficient account of psychology. ...
If politics is to become scientific, and if the event is not to be constantly surprising, it is imperative that our political thinking should penetrate more deeply into the springs of human action. What is the influence of hunger upon slogans.'’ How does their effectiveness fluctuate with the number of calorics in your diet? If one man offers you democracy and another offers you a bag of grain, at what stage of starvation will you prefer the grain to the vote? Such questions are far too little considered.
Source: Human Society in Ethics and Politics, 1954, part II: The Conflict of Passions, chapter 2: Politically important desires, n.1
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-2_0201.htm
<寸言>
 政府やマスコミによっていろいろなアンケートが行われますが、ほとんどが「どう考えるか?」に関する質問であり、「どう感じるか?」に関するものはわずかです。実際は「どう感じるから、どう考える」という順序です。そうして、「どう考える」という質問から得られる「意見」は、重要な「感情」という要素がほとんど取り除かれてしまっています。
 つまり、ラッセルに言わせれば、「現在の政治や政治理論について議論のほとんどが心理学を十分に考慮していない」ということになります。たとえば、安倍総理(当時)が統一教会と関係があったという、自民党にとっては非常に都合の悪い報道に対し、自民党は「寝ていた子を起こさないように」、NHKなどのマスコミに「中立的、客観的な報道をするように」圧力をかけます。「感情的な」要素は排除して、客観的な放送をすべきだという圧力によって、重要な「感情的要素」がそぎ落とされてしまっています。
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