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(また)知識人というものはしばしば真理を愛するものだと思っていたが、人気よりも真理の方を選ぶ(好む)者は一割にも満たないことに気づかされた。
The prospect filled me with horror, but what filled me with even more horror was the fact that the anticipation of carnage was delightful to something like ninety per cent of the population. I had to revise my views on human nature. ... I had supposed that intellectuals frequently loved truth, but I found here again that not ten per cent of them prefer truth to popularity.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 1:The First War, 1968
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB21-040.HTM
<寸言>
これは第一次世界大戦が勃発した時のラッセルの発言です。人類は第二次世界大戦の惨劇を経験し、大きな戦争をさけようとする気持ちが世界に広まりました。しかし、地域を限定した戦争は第二次世界大戦後も頻発しています。戦争に反対していた者も、いったん自国が戦争に巻き込まれると、国民の多くは「思考停止」状態になり、戦争支持(少なくとも消極的支持)に転向する現象は相変わらずです。
やっかいなことに、軍需産業が巨大になるにつれて、産業を維持するために、戦争の勃発を期待する勢力が確実に存在します。たとえば、軍需産業の大株主などは典型的です。米国の巨大な軍事産業を維持するためには、10年ごとくらいにミサイルや弾薬の在庫一掃をする必要があり、世界のどこかで大きな紛争が起きることを期待したり、時には紛争をかきたてたりすることもある、と主張する軍事評論家もけっこういます。
日本の軍需産業の場合は、紛争国に兵器を直接売買してはいけないことになっています。しかし、日米安保条約により、米国との間では武器弾薬の売買が認められており、朝鮮戦争やベトナム戦争においては日本に大きな利益をもたらし、日本の経済発展に寄与しました。そうして、米軍が行った戦争犯罪(例:ベトナム戦争)は日本には関係ないこととし、日本は「平和愛好国」として「平和を享受」しています。また、日本は「唯一の被爆国」であり核兵器反対であるが、米国の「核兵器」は日本の防衛に大きく役立っているので、「必要悪」だと言い続けています。
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#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell