しかし、今日では、若者のほとんどは巨大組織の中で非常に従属的な地位から(職業人生を)始めなければならない。彼の上司が、経験豊かな教師が持っている寛容の精神の持主であることは稀であり、組織の中の「良い」子に昇進の道を与えがちである。不幸なことに(皮肉なことに)、従順さは創意(イニシアティブ)や指導力のある人間に見られる資質ではない。
But nowadays almost every young man has to begin with a very subordinate post in some vast organisation. His superiors seldom have the tolerance of the experienced schoolmaster and are likely to give promotion to the 'good' boy. Unfortunately docility is not a quality which is often found in the man capable of initiative or leadership.
Source: On being good" in: Mortals and Others; Bertrand Russell's American Essays, 1931-1935, v.1
More info.: https://russell-j.com/BEING-G.HTM
<寸言>
いかなる組織にも属さず、自分の才能だけで経済的に豊かな暮らしができればそれほどよいことはありません。しかし、そのような抜きんでた才能(商才も伴ったもの)は稀有です。
国家公務員であれ、大企業の社員であれ、巨大な組織なら倒産する心配はなく、昇進にこだわらなければ、自分の時間をそこそこ確保して、安定した生活(人生)を送ることができます。もちろん、そういった人達(安定して仕事をこなす人)も組織にとっては重要です。しかし、1,2割は優秀な人材がいないと組織は成長しないことも事実です。ただし、いかなる組織においても、「おべっか使い」は不要です。
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