金持ちになればなるほど, 金儲けはますます容易になってくる。ついには, 1日5分働けば, 使い方がわからないほどの金を手に入れるようになる。こうして, かわいそうなこの男は, 成功した結果, 途方にくれてしまうことになる。成功そのものが人生の目的として表現される(描かれる)かぎり, どうしてもこういう事態にならざるをえない。成功した後, 成功をどう扱ったらよいか教えられていないかぎり, 成功の達成が人を退屈の餌食にするのは避けられない。
As he gets richer and richer it become easier and easier to make money, until at last five minutes a day will bring him more than he knows how to spend. The poor man is thus left at a loose end as a result of his success. This must inevitably be the case so long as success itself is represented as the purpose of life. Unless a man has been taught what to do with success after getting it, the achievement of it must inevitably leave him a prey to boredom.
Source: Bertrand Russell: The Conquest of Happiness, 1930, chap.3:Competition
More info.: https://russell-j.com/beginner/HA13-050.HTM
<寸言>
働かなくても一生暮らしていける財産を築くことができたなら、その後は自由に探検したり(ゆっくり旅行したり、秘境をまわったり)、あるいは自分が興味を持つことを追及したりすれば、人生は豊かになるはずです。しかし、そうしないで、あまり有益でない刺激を求め続けたり、ギャンブルに夢中になったりするようでは、結局は満足を得られず、いずれは「退屈の餌食」になってしまいそうです。
あるいは、幸いなことに稼いだ本人は充実した生活をしていても、子供が贅沢に慣れ、放逸な生活をして親の悩みの種になったりすることも珍しくありません。お金はあるにこしたことはないですが、それが望まない結果を生むようでは困ります。金持ちの方々は、社会の役に立つようなお金の使い方をしてもらいたいものです。
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