バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 過程(プロセス)に喜びがあるところにはスタイルが存在し, 生産活動それ自体が美的特質を持つであろう。しかし, 人間が機械に同化し, 仕事そのものではなく, 仕事の結果だけを評価する場合には, スタイルは消え, 機械化された人間にはより自然に思えるものにとって変わられるが, 実際にはそれはより野蛮なものでしかない。

Where there is delight in a process, there will be style, and the activity of production will itself have aesthetic quality. But when men assimilate themselves to machines and value only the consequences of their work, not the work itself, style disappears, to be replaced by something which to the mechanised man appears more natural, though in fact it is only more brutal.
Source: Bertrand Russell: In praise of artificiality, Sept. 9, 1931.
In: Mortals and Others, v.1 (1975)
More info.: https://russell-j.com/ARTIFICI.HTM

<寸言>
 ラッセルが何を言おうとしているかわかりますが、「スタイルは消え、機械化された人間にはより自然に見えるものに取って代わられる」という主張ですが、「スタイル」のかわりの「機械化された人間にはより自然に見えるもの」というのは、具体的にはどういったものでしょうか?
 試しに ChatGPT に質問したところ、次のような応答がありました。

「バートランド・ラッセルのこの主張において、「スタイル」の代わりに「機械化された人間にはより自然に見えるもの」というのは、以下のような具体例が考えられます:

・効率重視のデザインやプロセス:
・・仕事や生産が効率を最優先とするため、独自性や美学よりも標準化された手法やデザインが用いられることです。たとえば、大量生産品のデザインがシンプルで機能的なものになること。

・機械的で画一的な動作や手順:
・・人間が機械のように同じ動作を繰り返し、個々の工夫や創意工夫が排除される状況です。例として、工場のベルトコンベアでの単純作業が挙げられます。

・無機質で機能本位な環境や製品:
・・機能性のみを重視し、人間の感性や美意識が軽視される環境や製品。例えば、無味乾燥なオフィススペースや、装飾が排除された無機質な都市環境。

・結果重視の働き方:
作業の過程ではなく、最終的な成果や結果だけが評価される働き方。これにより、仕事の過程での創造性や満足感が軽視される。

 ラッセルは、こうした状況が「スタイル」を失わせ、人間の活動や生産における美的な質を失わせると述べています。結果として、機械化された人間にとっては「自然」に感じられるが、それは実際には創造性や人間らしさを欠いた「野蛮」な状態であるということです。

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