バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 家柄崇拝の最大の舞台は君主制であり,それが生む弊害は英国民が思っている以上に大きい。君主の意見を一平民の意見とまったく同じように虚心で聞く態度が取れる人はほとんどいない。その上,王室の人々の教育や生活環境は人間の知性を高めるものとは言い難い。

The greatest field for snobbery is the Monarchy, which succeeds in doing more harm than most English people suppose. Few people can bring themselves to treat the opinions of a monarch with no more respect than they would show to those of a common mortal, and yet the education and surroundings of royalty are hardly such as to promote intelligence.
Source: Bertrand Russell: On snobbery (written in Dec. 30, 1931 and pub. in Mortals and Others, v.1, 1975
More info.: https://russell-j.com/SNOB.HTM

<寸言>
 英王室においても日本の皇室においても、現代にふさわしい王室や皇室のあり方を日々探っており、少しずつ改善してきています。英王室でのその現われのひとつはチャールズ皇太子のダイアナとの結婚でしたが、チャールズの不倫などもあり、歯車が狂いだし、不幸な結果(自動車事故によるダイアナの死亡)に終わっています。その後も、英王室の評判を回復する努力が続けられましたが、英王室の存続が必要だと言う国民の比率は低下し続けています。
 日本の皇室でも、英王室を手本とし、徳仁皇太子(現在の天皇)は外交官の雅子さん(現在の皇后)と結婚し、皇室の民主化に努力してきました。長い間、雅子皇后は精神的に厳しい状態が続きましたが、最近になって、ようやく安定的に皇室の任務を果たすことができるようになりました。
 日本は「立憲君主制」ではなく「立憲民主制」ですが、「象徴としての天皇(制)」は存在しています。あくまでも「日本国民の象徴としての天皇」ですので、国民の考え方や感情が変われば、天皇の在り方も変わる必要があります。しかし、「国民の象徴」の意味を理解しないで(あるいは意図的に無視し)「万世一系」を強調し、天皇を「国民の象徴」ではなく「国家の象徴」として、天皇を利用しようとする政治勢力があいかわらず存在しているのは残念です。

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