バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 こう言ったと仮定しよう。即ち、「最大の悪は罪(the greatest evil is Sin)であり、私は、性器を持たずそれゆえ罪を犯すことができないロボットを製造することができる。私はこのロボットに通常賞賛されるあらゆることをさせることができる。聖書を読ませることも、雄弁な説教をさせることもできる。そうして、ロボットの説教者の感動的な説教を聞いて感動して泣いたり胸をたたいたりするロボットの信者集団さえ作ることもできる」と。これらは全てまだ夢物語だが、今後100年以内に可能になるだろう。

Suppose you said, "the greatest evil is Sin, and I can manufacture robots which shall have no sexual parts and shall therefore be incapable of sin. I can make these robots do all the things that are usually praised. I can make them read the Bible. I can make them preach eloquent sermons. And I can make robot congregations that will weep and beat their breasts as they hear the robot preachers’ moving sermons.” All this is as yet a beautiful dream, but I daresay it will become possible within the next hundred years.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 10:Is there ethical knowledge ?
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-1006.htm

<寸言>
 この本が出版されたのは1954年ですので、100年後というのは2054年になります。ラッセルの予言(生成AIロボットの製造)は2050年には十分実現できていると思われます。
 なお、「最大の悪は罪であり(the greatest evil is Sin)」というのは、「Sin」が大文字であることから、「原罪」(神の教えに背いてアダムとイブが甘い果実を食べたこと(神の禁制を破ったこと)を言っていることと思われます。具体的には性的な犯罪でしょうか?
 試しに、 Google gemini と対話してみました。

<私>「robots which shall have no sexual parts」は性器を持たないロボットという意味でしょうか?

<Google gemini> はい、その通りです。「robots which shall have no sexual parts」は、性器を持たないロボットという意味になります。

ラッセルは、ロボットが性器を持たないことで、人間と同じように罪を犯すことができないと主張しています。彼は、ロボットに聖書を読ませたり、説教をさせたり、信者の真似をさせたりすることは可能だと考えていますが、性的な欲望や誘惑に駆られることなく、真の信仰や倫理的な行動はできないと考えています。

この文章は、人工知能やロボット倫理に関する議論において、重要な問題提起となっています。ロボットが人間と同じように倫理的な判断を下せるのか、それとも人間とは異なる倫理観を持つ必要があるのか、といった議論を促進するものです。

なお、「shall」は古い英語の助動詞で、現代英語では「will」や「should」に置き換えられることが多いです。この文章の場合、「robots which will have no sexual parts」や「robots which should have no sexual parts」と表現しても意味は変わりません。


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