バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 『プリンキピア・マテマティカ(数学原理)』を執筆している間は(注:利益がでない純粋にアカデミックな意義のある仕事をしている間は), 遺産で生計をたてることは正当化されると感じていたが,さらに祖母が遺してくれた財産も自分のものにすることは正当化されないと感じた。そこでその金額に相当する額は全て寄付することとし,一部はケンブリッジ大学(本部)へ,一部は(ケンブリッジ大学)ニューナム・コレッジヘ,残りは種々の教育目的のために寄付した。

While I was writing Principia Mathematica I felt justified in living on inherited money, though I did not feel justified in keeping an additional sum of capital that I inherited from my grandmother. I gave away this sum in its entirety, some to the University of Cambridge, some to Newnham College, and the rest to various educational objects.
Source: Bertrand Russell: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 1:The First War, 1968
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB22-010.HTM
<寸言>
 祖母の遺産は、the University of Cambridge や Newnham College 等に寄付されたと書かれていますが、訳し方に注意が必要です。ケンブリッジ大学は31のコレッジ(学寮)から構成されていますので、the University of Cambridge はケンブリッジ大学本部、Newnham College はケンブリッジ大学ニューナム学寮、あるいは「ニューナム・コレッジ」と訳す必要があります。(因みに、college は米語では「カレッジ」、イギリス英語では通常は「コレッジ」)
 なお、ケンブリッジ大学ニューナム・コレッジ(1871年創立)は女子学寮であり、お茶の水女子大学(1874年創立)と交流があります。

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