ドイツ政府の敵(注:第二次世界大戦時の連合国)は,ドイツ人の間で政府に対する不服従行為をしなかったことを(ドイツ兵に)有罪の宣告をする理由(弁解)として申し立てたが,もしそのような不服従行為をする兵士が自分達の側(西側)にいたとしたらその者を(軍法会議にかけて)死刑にしてしまったことだろう。
The enemies of the German Government would have punished with death any soldier among themselves who had practised the sort of civil disobedience the lack of which among Germans they pleaded as an excuse for condemning Germans.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 1: Return to England, 1969.
More info.:http://russell-j.com/beginner/AB31-160.HTM
<寸言>
国家という魔物。国家は良くも悪くも機能します。国家は、多くの場合、少数派に厳しく、多数派の立場に立ちがちです。国内では利己的な態度は非難されます。しかし、大部分の国家は、対外的には「自国中心(America first! や 中国などの愛国無罪)」の立場に立ち、利害が一致する国と共同戦線をはって、利害が衝突する国々と対抗します。ある限界を超える 、― 両陣営をコントロールできる世界政府は存在しないので ― 戦争になり、戦勝国側が敗戦国側を罰します。今では、確かに国際司法裁判所はありますが、不法行為を犯した国が大国の場合は、限界があります。
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