メキシコ人のマルクス主義者に会ったことがあるが、彼はマルクスの本質的なメッセージはメキシコの先住民(メキシコ・インディアン、the Red man)の優越性であり、なぜかというとメキシコの先住民は誰も資本家ではなかったからである、とさえ主張した。人類の一部分が優位に立つというこの教義が、どの集団が優位に立つかを定期的に変えながら、終わりのない争いを生むだけであることは明らかである。それぞれの段階において、一瞬の世界の支配者の覇権を守るために、抑圧と残酷さがなければならないだろう。
I even once met a Mexican Marxist, who contended that the essential message of Marx was the supremacy of the Red man, because none of the Red men in Mexico were capitalists. It is obvious that this doctrine of the supremacy of a section of mankind can only breed endless strife, with periodic changes as to which group is to be dominant. At each stage there will have to be oppression and cruelty to preserve the supremacy of the momentary Lords of the World.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 8:Ethical Controversy
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0814.htm
<寸言>
小国の人々の「過信」はたいしたことないですが、大国の人々の「過信」は世界に大きな被害をもたらします。
なお、ここでの「even」は、意外性(~とさえ)を表しています。
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