有害な行為をするくらいならば,何もしないほうがいい。世界における有益な仕事の半分は,有害な仕事と闘うことから成り立っている。事実を正当に評価することを学ぶために少し時間を費やしても,それは時間の浪費ではない。その後(学習後)になされる仕事は,精力の刺激剤として,絶えず自我を膨張させる必要のある人達がする仕事よりも,ずっと有害でなくなる傾向がある。
It is better to do nothing than to do harm. Half the useful work in the world consists of combating the harmful work. A little time spent in learning to appreciate facts is not time wasted, and the work that will be done afterwards is far less likely to be harmful than the work done by those who need a continual inflation of their ego as a stimulant to their energy.
Source: Bertrand Russell: he Conquest of Happiness, 1930, chap.16:Effort and resignation.
More info.:https://russell-j.com/beginner/HA27-060.HTM
<寸言>
何事においても、事をなす前に(あるいは何かを判断する前に)、事実を知り、それを適切に評価する(重みづけする)ことは重要なことで。しかし、権力を持っている人たちは、そのめんどくさい努力を「省略」できるようです。弱弱しい様子を見せると、いつ権力をふるえるポストから引きづりおろされるかも知れないので、いつも弱みを見せないように注意を払います。権力者は自分のことを軽くみたらどんなことをされるかも知れないという恐怖心を追従者に持たせておく必要があります。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell