バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 賃金労働者の擁護者として、マルクスは「あらゆる国のプロレタリアよ、団結せよ」という(彼の)スローガンで反撃した。さらに忠誠心を限定する人々がいる。孔子は忠誠心をほとんど家族に限定し、一部の理論家と多くの実践家は忠誠心を自己に限定し、その哲学を「施し・慈愛は家庭から」という諺に具現化している。  これらの教義(主義や信条)はいずれも、大勢の人々の一般的な願望を表現したものであり、そうでなければ広く普及することはできなかっただろう。

As champion of the wage-earners, Marx retorted with his slogan: "Proletarians of all countries, unite.” There are those who go further still in limiting loyalty. Confucius very nearly confined it to the family; some theorists and multitudes of practical men have confined it to the Self, and have embodied their philosophy in the proverb “charity begins at home”. Each of these doctrines expresses something of the prevalent desires of large groups of men, and could not otherwise have achieved wide-spread popularity.
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 5
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0504.htm

<寸言>
 正しいから信じるのではなく、信じたいので信じるという側面があります。どんなに正しいと思われることでも、多くの人々の願望に沿わないと、正しくても信じられないか、見て見ぬふりをされてしまいます。
 日本の外交は、アメリカの利益が関係する事柄においては、アメリカの後追い・追従ばかりです。流石に追従しては国際的な非難を受けそうなことについては「判断停止」や「棄権」(国連の決議など)を行います。
 たとえば、中東地域での紛争に関する国連の決議においてもそれが現れています。「ハマスに対する非難が入っていない」ということで、停戦や一時停戦の決議(案)にアメリカは反対し、日本もアメリカに追従して反対あるいは棄権をしてきました。それなら、ハマスとイスラエル(空爆による民間人殺害)の両者を非難する文言がはいっていれば日本は賛成してもいいはずです。しかし、それではアメリカが反対するので、日本も棄権あるいは反対することになってしまいます(両者を非難するか、両者とも非難するのはやめておくか、どちらかしかないはずです)。アメリカの「国益」がからむ事柄にについては、残念ながら、日本には自主外交(岸田外交なんてもの)は存在しない(岸田のメガネは色メガネあるいは度があっていない)というのが現実です。
 なお、「施し・慈愛は家庭から」という諺は新約聖書のマタイ伝などに由来するもので、 他人に対して慈善を行わない言い訳として便利に使われるという側面もあります。
 
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