ラッセル英単語・熟語1500 |
国に忠誠を誓うのではなく、自分達の肌の色 -白色、黒色、茶色、黄色、場合によってそれぞれであるが- に忠誠を誓う人々もいる。ハイチ(の首都)のポルト-フランスには、キリストとサタンの像があるそうである。 キリスト像は黒く、サタン像は白い。このことは白人には奇妙に映るが、他の地域ではハイチのキリスト教芸術と正反対の慣行が、白人にはまったく自然に映る。キップリング(注:1865-1936、英国の小説家、詩人で1907年にノーベル文学賞)は「法のない劣等人種」という教義で白人至上主義を宣言した。中国人は1840年まで、日本人は1945年まで、黄色人種至上主義を信じていた。
Some men give their loyalty, not so much to their country, as to their colour: white, black, brown, yellow, as the case may be. I am told that at Port au Prince, in Haiti, there are statues of Christ and Satan: Christ is black, and Satan is white. This strikes white men as odd, but the opposite practice of Christian art everywhere else appears to them entirely natural. Kipling proclaimed white supremacy with his doctrine of “lesser breeds without the law”. The Chinese believed in yellow supremacy till 1840, and the Japanese till 1945.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 5
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0503.htm
<寸言>
白人至上主義者がノーベル文学賞を受賞することは今では考えられませんが、第二次世界大戦以前はありえました。長い間、ノーベル賞(科学以外の)は欧米中心主義だったことがわかります。
人種差別、民族差別、その他、あらゆる差別において、「差別されること」は誰も拒否しますが、「差別すること」には寛容です(自分あるいは自国に対しては甘いのが現実です)。
杉田水脈などを右翼や保守派の人々は擁護しますが・・・。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell