バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 私達が手段ばかり考えることから抜け出すと、経済過程、そうして人間生活全体が、全く違った様相を呈する。私達は次のようなことはもはや尋ねない。生産者は何を生産し、消費者は消費によって何を生産することを可能にしたか? その代わりに、私達は次のように尋ねる。消費者と生産者の生活の中に、生きていることをよいと思わせるものは何か存在したか?・・・。
 私は、かつて、ロサンゼルスで、メキシコ人のコロニーに連れて行ってもらったことがある。無為な放浪者だと聞かされていたが、私には、心配性で勤勉な(自分の)ホスト・ファミリーが享受している以上に、彼らは人生を呪いではなく、恩恵として享受しているように見えた。しかし、この感覚を説明しようとしたところ、私は無表情で全く理解に欠けた反応を受けた。


When we escape from the exclusive contemplation of means, the economic process, and the whole of human life, takes on a completely different aspect. We ask no longer: what have the producers produced, and what has consumption enabled the consumers in their turn to produce? We ask instead: what has there been in the lives of consumers and producers to make them glad to be alive? ...
Once in Los Angeles I was taken to see the Mexican colony - idle vagabonds, I was told, but to me they seemed to be enjoying more of what makes life a boon and not a curse than fell to the lot of my anxious hard-working hosts. When I tried to explain this feeling, however, I was met with a blank and total lack of comprehension.
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0408.htm

<寸言>
 岸田総理は「経済、経済、経済」と外形的なこと(手段)ばかり強調し、「(国民が)生きていることをよいと思えるもの」(目的に近い手段)をできるだけ多く創造したいといった気持ちは全く感じられません。
 ある小学生だったかが、岸田総理に以前「どうして総理大臣になりたいと思いましたか?」と質問したところ、総理は「総理大臣が一番権限を持っているから・・・」と答えたそうです。つまり、不幸な人をできるだけ少なくし、暮らしやすく生きていることに喜びを持てるような社会を創造したいといった思いはほとんどなく、「大きな権力をふるう快感にひたりたい」というのが原動力であったのだろうということが想像されます。

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