バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 その結果とは無関係に、 ある行為が正しく、他の行為が間違っているという信念が存在しているように思われる場合、 そのほとんどは、その源を(昔の)タブーの影響に帰することが可能であり、そのタブーの制裁は忘れられているか、あるいは、信じがたく思われるようになっている。・・・。
 しかし、罰をもたらすと考えられるタブー(的)行為が呼びおこす恐怖心は、しばしば、罰への信念の滅びた後も生き残り、その結果、もはや功利主義的根拠によっては擁護できないルールを生じさせる。


Most of the cases in which there seems to be a belief that certain actions are right and others wrong independently of their consequences are traceable to the effects of tabus of which the sanctions have been forgotten or have come to seem incredible.
But the horror inspired by a tabu action which is thought to bring punishment often survives belief in the punishment, and thus gives rise to a rule which can no longer be defended on utilitarian grounds.
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 3
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0311.htm

<寸言>
 どんなに自分達(あるいは国民全体)が正しいと思っても、悲惨な結果が生じれば、自分達(自国民)の考え方や行為は果たして本当に正しいだろうかと反省するのが常識と思ってしまいますが、一神教を信じるイスラエル人もパレスチナ人もー そうは思わないようです。ということは、両者とも(特にイスラエル国民は)、どのような結果をもたらすとしても、 「ある行為はが正しく、他の行為は間違っている」という固い信念をもっているように見えます。
 非道な行為を行った者は処罰を受けなければいけないですが、報復によって、関係のない人々を大量に殺害するようなことは許されず、普通の神経をもっていれば留まるはずですが、どうもそうではないようです。「もはや功利主義的根拠によっては擁護できないルール」を彼らが持っているとしたら、話し合いは非常に困難です。

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