ラッセル英単語・熟語1500 |
道徳の唯一の基礎(土台)が神の命令であるとすれば、神の命令は現にあるものの正反対であったとしても全く(just as well )よいということになるかも知れない(よい可能性がある)(注:正反対のことを命令されても従わなければならないことになる)。(つまり)気まぐれ以外の、いかなる理由も、モーセの十戒から、全ての「なかれ(~をしてはいけない)」を取り去るのを防ぐことはできなかったのである。この見解(道徳の唯一の根拠は神の命令)は、神学者たちによって、適切にも、非難されてきた。
If the only basis of morality is God's decrees, it follows that they might just as well have been the opposite of what they are; no reason except caprice could have prevented the omission of all the "nots" from the Decalogue. This view has been rightly condemned by the theologians.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 3
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0307.htm
<寸言>
狂信的に特定の宗教を信じている人達は、神の命令(神意)をどうとらえているのでしょうか?
一度その宗教を信じたら、神の言葉(神意)とされるものを全て疑うことなく信じようとしているのでしょうか?
「この見解(道徳の唯一の根拠は神の命令)は、キリスト教の神学者たちによって、適切にも、非難されてきた」とのことですが、それはそのはずです。「道徳の唯一の根拠が神の命令」ということになれば、神学者の仕事(解釈すること)はなくなり、失職しそうです。いや、神の命令の「解釈」は難しい(神様はいじわる)ので、自分たちの仕事はいっぱいあるというかも知れないですが・・・?
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