ラッセル英単語・熟語1500 |
名誉(心)が禁じるもう一つのことは、不当な権威に屈従する際の卑屈さ、たとえば、侵略する敵に媚びへつらうような卑屈さである。もっと小さなことでは、秘密を裏切ったり(漏らしたり)、他人の手紙を読んだりすることは、不名誉な行為と感じられる。名誉心という概念が、貴族的な横柄さや暴力への傾向から解放される時、個人の誠実さを保持し、社会関係における相互の信頼を促進するのに役立つような何ものかが残る。私は騎士道時代のこの遺産が、 この世から全面的には失われてしまうことを望まない。
Another thing that honour forbids is abjectness in submission to unjust authority, for example in currying favour with an invading enemy. To come to smaller matters, betraying secrets and reading other people’s letters are felt to be dishonourable actions. When the conception of honour is freed from aristocratic insolence and from proneness to violence, something remains which helps to preserve personal integrity and to promote mutual trust in social relations. I should not wish this legacy of the age of chivalry to be wholly lost to the world.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 2
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0210.htm
<寸言>
騎士道精神は馬鹿馬鹿しいものが多いが、それでも騎士道精神が全くなくなったほうがよいとは思わないし、名誉心がそこそこあれば、(正当でない)権威に卑屈に屈従したり、他人の私的な秘密をばらしたりすることはないであろう、と主張するラッセル。
もう我々の記憶からほとんど消えつつありますが、名誉心を少しでももっていれば、佐川財務局長(当時)のような卑屈な国会答弁はしないはずです。佐川氏には人格的高潔さは微塵も感じられず、ただ自己保身に終始した姿は見るに耐えませんでした。佐川氏(1957年生まれの66歳)はもう昔のことは忘れ、「悠々自適の」老後(?)を送っているのでしょうか?
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell