バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 もしあなたがプロテスタントとして育てられるのであれば、ジャガイモを植えるのに悪い日は日曜日ではなくて土曜日であること(注:迷信。勤勉なプロテスタントが土曜日に休まないようにとの配慮か?)に気づかないままにしなければならない。またカトリックとして育てられるなら、結婚が解消不能とされているにもかかわらず、公爵や公爵夫人は、身分の低い無名の夫婦であったら妥当とはされそうにない証拠で、教会から結婚を無効にしてもらえるという事実を知らされないままにしなければならない。必要とされるその愚かさの程度は社会的に有害であり、厳格な隠蔽主義体制によってのみ、(愚かさは)温存され得るにすぎない。

If you are brought up as a Protestant, you must be kept from noticing that Saturday, not Sunday, is the day on which it is wicked to plant potatoes. If you are brought up as a Catholic, you must remain ignorant of the fact that, in spite of the indissolubility of marriage, Dukes and Duchesses can have their marriages annulled by the Church on evidence which would not be thought adequate for an obscure couple. The necessary degree of stupidity is socially harmful, and can only be secured by means of a rigidly obscurantist regime.
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 1
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0112.htm

<寸言>
 その国や地域の文化を知らないと、冗談を言っても外国人や他地域の人に理解されない可能性が大です。ここでのラッセルの発言も、プロテスタントが勤勉であるという理解と、イギリスには「ジャガイモは土曜日に植えないほうがよい」という迷信(俗信)があることを知らないと、何を言っているかわからないかも知れません。因みに、アメリカにはじゃがいもに関する同様の迷信はないとのことです。
 なお、蛇足ですが、「not Sunday」となっているのは、もちろん、キリスト教徒にとって「日曜日は安息日(休むべき日)というのは常識だからです。

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