バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 科学技術の侵入から生じる害悪は、恐ろしいことに、今始まったばかりである。それらのうちで最大の害悪は戦争が激しくなることであるが、それ以外にもいろいろある。天然資源の涸渇(←掘削能力の拡大による)、政府による個人の自発性の破壊、中央の教育・宣伝機関による人心の支配は、科学が、伝統を介して旧時代に慣れ親しんでいた人々の心に与えた衝撃の結果として、しだいに増加しつつあるように見える主要な害悪のなかのいくつかである。

The evils resulting from the intrusion of scientific technique are, it is to be feared, only just beginning. The greatest of them is the intensification of war, but there are many others. Exhaustion of natural resources, destruction of individual initiative by governments, control over men’s minds by central organs of education and propaganda, are some of the major evils which appear to be on the increase as a result of the impact of science upon minds suited by tradition to an earlier kind of world.
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-introduction-07.htm

<寸言>
 科学技術は善用すれば人類の幸福を大幅に増すことが可能ですが、悪用すれば人類に大きな不幸をもたらす可能性があります。核兵器保有の均衡によって平和が保たれているという考え方がいまだに力をもっていますが、ロシアあるいはテロリストなどが戦術核兵器をいったん使用するようなことになれば、あっという間に、核兵器があるからこそ戦争は過酷なものになってしまうということを多くの人が実感することになります。
 権力政治家は、科学技術の能力を政治的に利用することによる効果を実感していますので、科学技術の負の側面にはあまり注目しません。 

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