バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 ヘーゲルの時代において彼の体系(思想体系/哲学体系)は学術教育を受けたほとんど全ての若いドイツ人によって受け入れられたが、それは恐らくヘーゲルの体系がドイツ人の自尊心に媚を売った(お世辞を言った)という事実によって説明できるであろう。もっと驚くべきは、ヘーゲルの体系がドイツ以外のところで成功を収めたことである。私が若かった頃、英米の大学の哲学教師達はほとんどヘーゲリアンであった。そのため、私は、ヘーゲルを読むまでは彼の体系に何かしら真理があるに違いないと思っていた。しかし、ヘーゲルが数理哲学について言っていることは全てまったくのナンセンスであることを発見し、私は治された(立ち直った)。

In his own day, his system was accepted by almost all academically educated young Germans, which is perhaps explicable by the fact that it flattered German self-esteem. What is more surprising is its success outside Germany. When I was young, most teachers of philosophy in British and American universities were Hegelians, so that, until I read Hegel, I supposed there must be some truth in his system; I was cured, however, by discovering that everything he said on the philosophy of mathematics was plain nonsense.
 Source: Bertrand Russell: Bertrand Russell: Philosophy and Politics, (1947)
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/cool/UE_01_philosophy_and_politics-200.HTM

<寸言>
 もっとしっかりしたヘーゲリアン(ヘーゲル学派の人々、あるいはヘーゲル信奉者)だったら、ヘーゲルが数学で少し間違っていることを言っているとしても、それは「枝葉末節だ」と考えそうです。しかし、誠実な思想家や学者であるなら、自分がわからないことについてはあまりふれず、断定的なことは言わないだろうと考えそうです。自分がよくわからないことについてもいろいろ断定的なことを言う人は信用をなくすはずですが、愛国心にあふれた人は、自国について良く言う人のことには必要以上に耳を傾ける人がけっこういるようです。

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