
![]() ラッセル英単語・熟語1500 |
ある人種が他の人種よりも優れているということは,いまだかつて十分な(正当な)理由から信じられたことはほとんどない。そのような信念が執拗に存続しているところでは,それは軍事的優位性によって活かし続けられている。日本人が(軍事的に)勝利を続けている限りは,日本人は白人に対し軽蔑心を抱いて楽しんだのであり,それは日本人が弱かった間に白人が日本人に対して感じていた軽蔑心の裏返し(対をなすもの)であった。
The superiority of one race to another is hardly ever believed in for any good reason. Where the belief persists it is kept alive by military supremacy. So long as the Japanese were victorious, they entertained a contempt for the white man, which was the counterpart of the contempt that the white man had felt for them while they were weak.
Source: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/beginner/0861HARM-120.HTM
<寸言>
世界の支配者は、スペインからイギリスに移り、イギリスからアメリカに移りました。しかし、中国が台頭し、最近ではインドが軍事大国になりつつあり、多極化がますます進んでいます。数十年たてばアフリカが大きな勢力になると予想されており、日本の国力は相対的にかなり小さなものになるのはさけられそうもありません。
「外見的な」国力は、軍事力の大きさに現れると妄想する政治家が少なくないようです。身の丈に会わない軍事予算の増大によって、国民の生活は、新興国に比べ(相対的に)ますます厳しいものになっていきそうです。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell