バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 我々は,永遠に生きることを願い,天国の終わりのない喜び -奇蹟によってその単調さが決してうんざりするものにならない喜び- を期待するものだ,と想定されている。しかし,実際には,もはや若くない正直な人に質問すれば,自分はこの世の生活を味わってきたので,あの世で再び「新参者」として,生活を始めたいとは思わないと答えそうである。従って,将来のことについては,人類が考慮すべきもっとも重大な害悪は,人類が自らの愚かさや悪意,あるいはその両方、によって互いに与え合うこと(害悪)である、と言ってよいであろう。

We are supposed to wish to live for ever and to look forward to the unending joys of heaven, of which, by miracle, the monotony will never grow stale. But in fact, if you question any candid person who is no longer young, he is very likely to tell you that, having tasted life in this world, he has no wish to begin again as a 'new boy' in another. For the future, therefore, it may be taken that much the most important evils that mankind have to consider are those which they inflict upon each other through stupidity or malevolence or both.
 Source: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/beginner/0861HARM-010.HTM

<寸言>
 現実世界が不満足であったり苦しかったりするからこそ、天国を想像します。現実世界では不正を働いたり他人を苦しめたりしても罰を受けない者が少なくないと思うからこそ、地獄を想像するのではないでしょうか?
 これまで想像されてきた地獄は恐ろしそうに見えますが、一方、天国は単調過ぎてそれほど居心地はよさそうに見えません。また、運良く天国にいけたとしても、遅れて天国に到着した者は「新参者」として気を使わなければいけないのではないかと、ラッセルは想像をたくましくしているのでしょうか?
 天国はラッセルが想像するようなところではないとしたら、「どんなところでしょうか?」 天国を夢見ている信者さんたちにアンケートをとるとよいかも知れません。
 閑話休題(笑)。

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