バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 私は特に1820年頃、ニューヨーク州北部の湖畔に住んでいたある女予言者を称賛している。彼女は無数の信者達に向かって、自分は水の上を歩く力をもっていると宣言し、そうして、ある朝の11時に水の上を歩くことにしようと提案した(proposed to)。決められた時刻になると、信者達が何千人も湖畔に集まった。女予言者は信者達に話しかけ、次のように言った。「皆さんは、私が水の上を歩くことができると、本当に信じていますか?」。彼らは一斉に「はい、信じています」と答えた。「それなら」・・・「私が水の上を歩く必要はありません」と彼女は宣言した。そうして、彼らは皆大いに啓発されて帰宅した(とのことである)。

I admire especially a certain prophetess who lived beside a lake in Northern New York State about the year 1820. She announced to her numerous followers that she possessed the power of walking on water, and that she proposed to do so at 11 o'clock on a certain morning. At the stated time, the faithful assembled in their thousands beside the lake. She spoke to them, saying: "Are you all entirely persuaded that I can walk on water?" With one voice they replied: "We are." "In that case," she announced, "there is no need for me to do so." And they all went home much edified.
 Source: Outline of Intellectual Rubbish (1943)
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/cool/UE_07-600.HTM

<寸言>
 「心から」信じているのなら証拠を示す必要はない」ということで、理屈はあっています。
 「心から」信じていない信者も少なくないだろうと思うからこそ、オウム真理教の麻原教祖は、「空中浮遊」なる手品をやりました。そんなに超能力があるなら、数十センチ浮遊なんてチンケなパフォーマンス(手品)ではなく、100メートルくらい自由に空を飛んでもらいたいところですが、「そこまでは流石にできない」ようです(笑)。
 多くの宗教の信者の皆さんは信じ切っているのでそれぞれの教祖を疑うことはほとんどありません。しかし、ビジネス宗教の場合は、非課税扱いしないように、非課税認定する前に、最低限の課題を課してそれをクリアしない限り、寄付も課税対象にしてもらいたいと思いますが、宗教団体の恩恵を受けている政治家の先生方はそんなことはやりそうもありません。

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