バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 悪い行いをする人間に腹を立てるのは、動かない車に腹を立てるのと同じで、エネルギーの無駄遣いである。両者の違いは、車をガレージ(整備工場)に行くように強制することはできても、ヒトラーを精神科医(のもと)に行くように強制することはできないという違いである。

It is a waste of energy to be angry with a man who behaves badly, just as it is to be angry with a car that won't go. The difference is that you can compel your car to go to a garage, but you cannot compel Hitler to go to a psychiatrist.
Source: How to become a philosopher (1942年)
Reprinted in: The Collected Papers of Bertrand Russell, v.10: A Fresh Look at Empiricism: 1927-42 (1996), p. 544
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<寸言>
 義憤は必要だが私憤はエネルギーの無駄遣いだと言い直したほうがよいかも知れません。ラッセル自身、実際は、ヒトラーに強い怒りをいだき、(第一次世界大戦は反対しましたが)第二次世界大戦においては、ナチスは阻止しなければならないとして、対独戦争を支持しました。
 引用した文章は、"How to become a philosopher" (1942年発表)のなかの一節であるということに注意する必要があります。ここでは、あくまでも一般論として、不正を嫌ったり義憤を抱くことは必要だが、怒ってもどうしようもないことに腹を立てることにはプラス面がほとんどないということで、現代はやりの anger management が必要だということになります。
 「言うは易く行うは難し」という場合も少なくないかも知れませんが・・・。

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