バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 刑法は、挫折させられた美徳(thwarted virtue 期待に反して不成功の徳)の観点から見ると、道徳を偽装した卑怯さが、より自然な形で、抑制している攻撃的衝動のはけ口を与える、という利点がある。戦争にも同じ利点がある。(もしかすると心から憎んでいるかも知れないとしても)隣人を殺害してはならないが、ちょっとした政治宣伝によって、その憎悪をどこかの外国の国民に転移させることが可能であり、彼らに対しては、あらゆる殺人衝動が愛国的な英雄的行為となるのである(皮肉です)。

The criminal law has, from the point of view of thwarted virtue, the merit of allowing an outlet for those impulses of aggression which cowardice, disguised as morality, restrains in their more spontaneous forms. War has the same merit. You must not kill your neighbor, whom perhaps you genuinely hate, but by a little propaganda this hate can be transferred to some foreign nation, against whom all your murderous impulses become patriotic heroism.
Source: New Hopes for a Changing World, 1951.
More info.: https://russell-j.com/BR_PSYCH.HTM

<寸言>
 ラッセルのこの英文の日本語訳には少し苦労しました。

DeepL, Google 翻訳、みんなの自動翻訳による日本語訳も不適切なために、ChatGPTと長い対話をしました。ChatGPTの訳も一部不適切と思われるところがあり、6回対話を重ねることによって、ようやく一致点をみつけることができました。(Google Bard Chat にも同じ質問をしてみました。すると、驚くべきことに、ラッセルの英文は難しいので回答できませんとサジを投げてしまいました。これまで、Google Bard Chat はそこそこよい日本語訳を提供してくれていたのに、この態度の急変は意外です。これまで、訳にいちゃもんをつけすぎたせいでしょうか?)

 ChatGPTの回答の一部を参考まであげておきます。

・<ChatGPT 3回目の回答>
 申し訳ありません、私の前回の説明が分かりにくかったようです。以下により明確な説明を試みます。
 道徳を装った卑怯さは、ラッセルが指しているのは、人々が道徳的なふりをしているが、実際には卑怯な動機や欲望に基づいているということです。つまり、善良なふりをしながらも、実は攻撃的な衝動や攻撃的な欲望を持っている人々のことを指しています。

 そのような人々が抱えている攻撃的な衝動や欲望は、「より自発的な形で抑制している」と言われています。ここで「自発的な形」とは、その衝動や欲望を自由に発散する機会や手段が与えられているという意味です。つまり、刑法や戦争が、人々の攻撃的な衝動を抑制するためのはけ口を提供しているのです。
 一般的には、道徳的な規範に従って攻撃的な行動を抑えることが求められますが、ラッセルはここで、人々が道徳的な振る舞いを装いながらも、その攻撃的な衝動を刑法や戦争といった社会的なメカニズムによって自発的に解消できると指摘しているのです。(松下注:私的な制裁はリンチになってしまいますが、刑法によって「公的に処罰」を与えることができることを言っています。)

 要するに、ラッセルは、刑法や戦争が卑怯な攻撃衝動を抑制する一方で、それを自発的に解消する手段として機能していると主張しています。

・<ChatGPT4回目の回答>
 申し訳ありません、私の前回の説明が分かりにくかったようです。以下により明確な説明を試みます。
「道徳を装った卑怯さ」というのは、ラッセルが指しているのは、人々が道徳的なふりをしているが、実際には卑怯な動機や欲望に基づいているということです。つまり、善良なふりをしながらも、実は攻撃的な衝動や攻撃的な欲望を持っている人々のことを指しています。
そのような人々が抱えている攻撃的な衝動や欲望は、「より自発的な形で抑制している」と言われています。ここで「自発的な形」とは、その衝動や欲望を自由に発散する機会や手段が与えられているという意味です。つまり、刑法や戦争が、人々の攻撃的な衝動を抑制するためのはけ口を提供しているのです。

 一般的には、道徳的な規範に従って攻撃的な行動を抑えることが求められますが、ラッセルはここで、人々が道徳的な振る舞いを装いながらも、その攻撃的な衝動を刑法や戦争といった社会的なメカニズムによって自発的に解消できると指摘しているのです。

 要するに、ラッセルは、刑法や戦争が卑怯な攻撃衝動を抑制する一方で、それを自発的に解消する手段として機能していると主張しています。

<ChatGPT最終回答=6回目>
 おっしゃる通り、訳文に再度誤りがありました。誤解を招く表現となってしまい、申し訳ありません。
 正しい訳文は以下の通りです。

 「刑法は、挫折した美徳の観点から見ると、道徳を装った卑怯さが、より自発的な形で、抑制している攻撃衝動のはけ口を提供するという利点があります。戦争にも同じ利点があります。あなたが本当に憎んでいるかもしれない、あなたの隣人を殺してはいけませんが、ごくわずかなプロパガンダによってその憎しみをある外国の国民に移し、彼らに対するあなたの殺意が愛国的な英雄的行為となるのです。」

 修正後の訳文では、「英雄的行為となるのです」と表現しており、「可能性」の意味を含めていません。おっしゃるように、正しい訳文は「英雄的行為になるのです」となります。訂正していただき、ありがとうございました。

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